実績40年以上の美容家、岩永恵琴(いわながけいこ)氏の美容コラム。尾池博士とのコラボレーションが美容の新境地を開きます。
美容家として培った理論と技術を後進へ伝える人材育成にも取組んでいます。
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KEIKO愛弟子の課題作品をご紹介しております。
1-150. 強力美白剤
シミとクスミは、肌の色素の過剰な生成や沈着によって起きます。
そうした色素の生成抑制や除去がいわゆる「美白」なのですが、
この美白について新しい響きの成分を求めるあまりに、
いつしか強すぎる医薬品成分まで採用されるようになりました。
肌が実際に作っているヒアルロン酸やEGFはさておき、
ハイドロキノン、アルブチン、コウジ酸といった「美白成分」は肌の代謝システムに本来は存在しない成分です。
特にハイドロキノンはメラニン色素の生成活動を抑制し、
メラニン色素を作っている「メラノサイト」という細胞に対する毒性もあります。
それに比べると、アルブチン、コウジ酸は比較的温和なものではあります。
ハイドロキノンは、医薬品としてはとても重要で優れた成分です。
しかし、肌の健康な循環システムから逸脱しすぎている新しい成分であるため、肌にのせる危険性は想像以上です。
ハイドロキノンはシミ(メラニン)を薄くする力は優れていますが、
一度薄くなったあと、またシミ化し、繰り返すほどに動かないシミへと変化します。
わかりやすくいえば、
ハイドロキノンを常用すればするほど、
・シミが出来やすくなる。
・消しにくいシミが増える。
ということです。
優秀であるからこそ、使い方ひとつで、薬にも毒にもなります。
元々私たちの肌細胞には、紫外線の害から細胞を守ってくれる日傘機能が備えつけられています。
ハイドロキノンはその日傘を壊してしまうので、
ハイドロキノンを使うのであれば、
穴蔵で暮らすか、完全防備を覚悟しなければなりません。
最初はしっかり紫外線防御をしていても、つい油断してしまい、
逆にシミが濃くなってしまった方、
一旦消えたのに数年後再発し、今度は全く動かないシミに変化してしまった方、
そのような肌を沢山見てきました。
ハイドロキノンでシミ取りに成功するには
色素に対し、どこまで攻めるのか、
またどこで引いて、残りのシミにはどのようにアプローチしていくのか、、
ここがポイントになります。
そこの見極めに必要な情報と、
色素の変化を観察する目が成功の秘訣ともいえます。
シミ取りをしたいのであれば、
様々なリスクを踏まえ、方針立ては慎重にすることをお勧めします。
そして、ハイドロキノンを採用する場合、
最短最速のゴールを目指し、
その後の常用は避け、
部分使いに徹するべきと考えます。