実績40年以上の美容家、岩永恵琴(いわながけいこ)氏の美容コラム。尾池博士とのコラボレーションが美容の新境地を開きます。
美容家として培った理論と技術を後進へ伝える人材育成にも取組んでいます。
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KEIKO愛弟子の課題作品をご紹介しております。
1-115.心は造り手
日々、肌トラブルの相談を受けていると、
トラブルの背景には、性格や心(ストレス)が起因していて、
改善のスピードも然りである、
ことを痛感します。
その辺りについて、
光田菜央子さん(エドガーケイシーセンター光田秀会長の妹さん)のコラムで解り易い解説がありましたので、
ご紹介させていただきます。
エドガー・ケイシーのリーディングに頻繁に登場する有名な言葉に
mind is the builder, 「心は造り手」というものがあります。
起きてくる現実、未来、健康を創っているのは自分の心だ、ということですね。
良きことを作るのもマインドなら、あまり起きてほしくない現実、病気を作るのもやはり自分のマインド、ということになります。
癌といった重篤な病気にかかった人の過去を調べてみると、家族の死や離婚、事故や災害、引越や大きな人生の転機、失業や倒産、その他、思いもかけない出来事や大きなストレスを体験した人が多いようです。
大事故や家族の死といった劇的なことだけではなく、失恋や友人との諍い、ちょっとした気持ちのすれ違いでも、それを何度も何度も心の中で繰り返していれば、それもまた病気の引き金になってしまうかもしれません。
カイロプラクタードクターのジョー・ディスペンザ著の『超自然になる/どうやって通常を超えた能力を目覚めさせるか 』には、この「心は造り手」の例となりそうな事案がいくつも紹介されています。
冒頭のアナさんの症例を、少し引用してみます。
まず、
このストーリーの主人公アナは、オランダで優秀な心理療法士として活躍し、夫と子どもに囲まれ、何不自由ない生活を謳歌していました。
ところが、ある日、弁護士だった夫が自己破産し、ビルから飛び降り自殺をするという
衝撃的な出来事を経験します。
その9ヶ月後、アナは突然、下半身麻痺となり車椅子生活に。そして2年後にはウツに。
そして次々と違った症状やアレルギー、皮膚疾患を併発し、最終的には潰瘍や癌も発症していきます。
夫の自殺後、アナの身体に何が起こったのか。少し長いですが、本からの引用です。
~ 以下『超自然になる』からの引用(短く編集しています) ~
アナの場合、夫の自殺というストレス源である情報により、脳と体がまさに前述のようなサバイバル態勢に突入した。
差し迫ったストレス源に対して戦う、隠れる、逃げるなどの対応をするために、短期間ならすべての組織は持ちこたえられる。
私たちはみな短期的な緊急事態には耐えられるようにできている。
危機的状況が去れば体は数時間で元の調和した状態に戻り、エネルギーが充電され、通常モードの生命維持機能が復活する。
しかしストレス 状態が数時間で終わらない場合、体は調和した状態に戻らない。
真実を言えば、自然界のどんな生き物も、緊急事態の中で長期間生き続けることはできない。
アナは毎日何度も何度もあの日のことを思い出していた。
アナは知らなかったが、体は
「実際に目の前で起きているリアルな危機」と「記憶をたどっているだけの危機」との違いを識別できない。
このため何度も思い出すたびに、その感情がトリガーとなり最初に起きたのと同じストレス反応を体に起こしていた。
まるであの日と同じことが何度も起きているかのごとく、アナの脳と体には同じ化学物質が放出され続けた。
その結果、アナの脳は何度も同じ出来事を記憶庫に記録し続け、
体はあの日と同じ感情体験が作り出す化学物質を浴び続けた。
それが一日に少なくとも100回以上繰り返された。とめどなく思い出すという反復行為
により、アナの脳と体は過去のあの日にしっかり固定されてしまった。
化学物質を作り、全身へと送り出す。この化学物質の分泌を感情と呼ぶ。
私たちは過去の出来事を、湧き起った感情を通して鮮明に思い出すのだ。
経験の良し悪しにかかわりなく大きく感情を揺さぶるほど、体内の化学物質の組成変化が大きくなる。
アナが怒涛のように湧き起る否定的な感情にどっぷり浸かっていたことは想像に難くない。
途方もない哀しみと悼み、被害者意識、苦悩、罪悪感、 慙愧の念、 絶望、
怒り、憎しみ、 フラストレーション、恨み、ショック、恐れ、不安、弱気、打ちのめされた感、苦悶、無力感、孤立、孤独、不信、そして裏切り。どれを取ってもなかなか消えるものではなかった。
アナは繰り返し味わっていた感情の轍にはまり、それ以外の感情の入る余地がなくなっていた。
感情とは過去の記録なので、アナは過去の中で考えを巡らせ、日に日に落ち込んでいった。
そのたびにあの日の苦悩と絶望が何度でも蘇った。
こうしてアナは脳内の同じ回路を繰り返し活性化しては同じ感情セットを再生し、脳と体を同じ過去の日に縛り付けていたことになる。
来る日も来る日もアナは、過去が今も目の前で起きているかのように考え、行動し、感情を湛えていた。
生物学的に言うと、夫の自殺の話を繰り返し語ることにより、文字通りアナの頭はその出来事でいっぱいになった。
闘争・逃走(ストレスのかかる事態に対処する自律神経の反応)神経のスイッチが入り、慢性化したストレスのためオフにならずにいるとき、体はすべての貯蔵エネルギーを動員して外界から感知する絶え間ない脅威に備えようとする。
結果として体の成長や修復、免疫系に使われるべきエネルギーもすべて危機対応に向けられることになる。
内面での葛藤があまりにも長期間に及んだため、アナの免疫系は体を攻撃し始めたのだった。
端的に言えば、アナの人生は、過去に生きることで完全に停止していたため、
体が動かなくなったということだ。
このような慢性化・長期化したストレスは、病気を引き起こす遺伝子のボタンを押すことが科学的に証明されている。
アナが抱える問題や過去に起きた出来事について考えるという行為がストレス反応をオンにしているのなら、彼女の健康を破壊したのは彼女の思考ということになる。
~ 以上、引用おわり ~
ショッキングな出来事が起きると、心はそれに囚われてしまい、1日に何度も何度もその出来事を思い出し、反芻し、そのショック状態を繰り返し体験する、ということはよくあります。
他のことを考えても、いつの間にか、その出来事のことを考えていた、という経験は誰もがしているはずです。
アナも、夫の自殺を聞いたその当時のことを1日100回は繰り返し思い出していました。
そのため、身体は1日に100回も、ストレス状態に陥ることになりました。
身体は、その出来事が過去のことなのか、現在のことなのか判別できません。
アナの脳と体は、ストレスが作り出す化学物質を浴び続け、
本来なら働くべき自己治癒力や自己修復力が働かず、繰り返されるストレスを対処することにエネルギーを使い果たしていきました。
アナは病気を造り出そうと意図したわけではありませんが、
結果として起きたアナの身体の機能不全は、アナのマインドが造りだしたと言えます。
では、アナはどうやってこの泥沼から抜け出したのか。
あまりにも次々と降りかかる不幸な状態にアナは一念発起し、ある日「自分の人生を変える」ことを決意します。
薬を止め、ジョー博士のセミナーに参加し、マインドがいかに自分の健康に関連していることを学びます。
そして、自分が抱える病気や人生の苦難は自分の心が造ってきたのなら、
同じように心には自分を癒やす力があるかもしれないと、瞑想と呼吸法を習慣にし始めます。
数年かかりましたが、アナは癌や潰瘍からも回復し、健康と人生を取り戻していきました。
ずいぶん前ですが、私は慢性的な腰の痛みを抱えている女性と電話で話したことがあります。
彼女は11年も前に道で人に押されて転倒。その後でその痛みが起き、何カ所も
整体院に通ったが治らないのだと言われていました。
転倒の原因を作ってしまった男性のことは、11年間経っても思い出さない日はないと彼女は言っていました。
11年前、彼女に直接痛みを与えたのは、その男性だったのでしょう。
でも、その痛みを11年間保持し続けていたのは、もしかしたら、彼女の心だったのかもしれません。
これをお読みになっている方で、過去に同じような状況を体験したという方、
今、同じような状況に陥っているという方がいらっしゃるかもしれません。
思い当たる方は、ぜひジョー博士の本を入手し、心の働き、潜在意識の働きについてお読み下さい。
心の中で、誰かを責め続けたり、悔やんだりし続ける心の癖は、結果として、いつか、大病という形で、自分に返ってくるかもしれません。
でも、その前に、自分の心の癖を変える新しい習慣を身につければ、新しい未来にベクトルは変わっていきます。
「心は造り手」だというケイシーの言葉。今一度、心に刻みたいものです。