5月26日にアムステルダムのMediamaticにて講演した「危機の構造」を、簡単なダイジェストでお届けします。 (ENGLISH)
なぜこの宇宙に、我々以外の生命体の気配がないのか。
そんな問いも織り込みながら、プラセンタ化粧品と海水淡水化という、私たちの挑戦について紹介しました。
この活動を支えていただいている多くのC6ユーザーの方々、そしてChitose Ohchi氏、ブンボ株式会社、Mediamatic社に感謝申し上げます。
では、ダイジェスト版をどうぞ。(画像をクリックすると拡大できます。スマホの方は長押しで新しいタブで開いてください。)
日本の南の島、九州アイランドの北、北九州から来ました。FILTOMの挑戦について紹介します。PD膜分離技術とは、海水淡水化を目指す技術ですが、同時に食品、化粧品といった民生品にも利用できます。
民生品に利用しながら、技術を高度化し、将来の低コスト海水淡水化を達成しようという試みです。これは、北九州という小さな地域一丸の取り組みですが、同時に、地球人類一丸の取り組みの一つとも言えます。
なぜこの宇宙に、我々以外の生命体の気配がないのでしょうか?いま、この図のように、おそらくかつての生命体も直面したであろう、とてつもない壁に到達しています。どうやって、この人口爆発を乗り越えればよいのでしょうか。
私たちは、この問題を乗り越える、最初の生命体になるべきです。そして、次の星に持続可能技術を伝える最初の生命体になるべきです。
いま、地球上で、多くの頼もしい仲間が、さまざまな持続可能技術に取り組んでいます。その中で私たちは、「腎臓」にその答えを見つけようとしています。
現在のところ、低コストに海水を飲料水にすることはできませんが、その一方で体内では毎日、180L以上という大量の水とイオンがろ過されています。その秘密は、超親水性の膜に埋め込まれている「水チャンネル」という、水だけを通すタンパク質です。
そこで私たちは、人工腎臓を生産するため、セルロースを選びました。セルロースは親水性の高い水酸基を6つも持っています。そのため、水を引き寄せる力が最も強い素材の一つです。
FILTOMはこのセルロースに、数ナノメートルの小さな孔を安定的に形成させる工業的な技術を開発しました。しかし、それだけでは、海水から水を分離するには十分ではありません。先ほど登場した、「水チャンネル」が必要です。
PD膜で腎臓と同等の海水淡水化を実現するには、多くの実験を繰り返さなくてはなりません。その過程で生まれたのが、プラセンタ化粧品です。
利益を生む活動が、技術の高度化につながっています。つまり高い意識を持ったマーケットが、高いモチベーションを維持します。
ここでちょっと宣伝です。(笑) これも、研究のためです。(笑) PD膜分離は、腎臓とおなじく、成分を変質させません。常温でバクテリアやウイルスを除去し、皮膚細胞のための栄養成分をすべて、そのままの状態、そのままのバランスで浄化します。私たちは、このプラセンタエキス以上のスキンケア成分はないのではないかと思っています。
はい。売れています。(笑)
PD膜分離の高度化はまだ道半ばです。現在のところ、工業的に海水淡水化を実現するには、50年程度はかかってしまうのではないかと考えています。
ゴールまでにはいくつかのステップを設定しています。たとえば、池湖沼からの胞子やバクテリアの除去。そして養殖場からのウイルスの除去などです。こうしたステップを、九州工業大学伊東研究室からの協力も得ながら進めています。
さて、冒頭に紹介いただいた通り、この講演終了後に、みなさまに北九州のうどんを準備しています。ぜひ、うどんをたべて、私たちの取り組みを記憶にとどめていただきたいとおもいます。えーと、いいですか。うどんを、ではなく、PD膜分離の海水淡水化も、です。(笑) ありがとうございました。
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