実績40年以上の美容家、岩永恵琴(いわながけいこ)氏の美容コラム。尾池博士とのコラボレーションが美容の新境地を開きます。
美容家として培った理論と技術を後進へ伝える人材育成にも取組んでいます。
1-10. 「目に見えない真実」(English)
私たちの体の細胞はおよそ60兆個ですが、
体に住む微生物の数はなんと600兆個。
体を一つのマンションとすると、
住人の90%が細菌でヒトは10%にすぎません。
よって、
私たちの体は私たちのものである以上に、微生物のものである。
この驚くべき真実をご存知でしたでしょうか?
私たちの体の大半が微生物だとするならば
この微生物たちが健全でないと、私たちは健やかには生きられない。
私たちの体には、なんと600兆個を超える微生物が存在し、
表面(皮膚)には1兆個もの菌が住み着いています。
目には見えないとはいえ、なんとも気の遠くなるような数字です。
健康な肌には、ビッシリと菌が住み着いており、
この数だけでも驚きですが、
その細菌たちの活動が更に興味深いのです。
アミノ酸、タンパク質、糖類、ミネラル、ビタミン、そして常在菌
これらの見えないものたちは、驚きの連携プレーで皮膚を維持管理し、
どれが欠けてもその連携プレーは成り立ちません。
まさしくここにも、完璧に仕組まれた自然の成り立ちが存在するのです。
私たちがこれらの菌たちから得ている恩恵は次の3つです。
≪常在菌の働き≫
①皮膚を弱酸性に保つ
②病原菌を寄せ付けない
③きめ細かな皮膚を作る
我々が健康で美しい肌を保ちたいのであれば、この「肌の守り人」たちが安心して共存できる環境作りに注力することです。
私がこれまでのコラムで、肌にのせる成分やバランスについて繰り返し述べて来たのは、まさにその為で、
この常在菌にとって快適な環境を作るには、日々のスキンケアで「肌に何をのせるか」が重要になるのです。
最近、常在菌に守られた健全な肌は、滅多に見ることが出来なくなりました。
それどころか、皆さん弱くもろい肌に手を焼いては途方に暮れています。
やはり、地球環境と同じことが肌上でも起きているのかも知れません。
いや、確実に起きていると断言できます。
私は長い年月、肌と向き合って来ましたが、
この「目に見えないものたち」を常に主役とした肌の改善を心がけてきました。
常在菌を無視して、肌を美しくすることなどは出来ないからです。
美を求めて、様々な美容法を試すのは良いですが、常在菌を窮地に追い込むことは本末転倒
あくまでも「美肌」の本質は、
常在菌が安心して繁栄できる環境作りと、
それに必要な成分とバランス
美しい肌は、健全な常在菌の上に成り立つもの
そして、
それ以外は二の次だということです。
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〈写真の症状〉
アクネ菌、マラセチュア菌、顔ダニ
アレルギー性湿疹
菌バランスを崩した肌にとって
洗顔のしすぎ、成分の過剰利用は禁物
抗菌剤、ピーリングは要注意
肌上の菌たちが共存し易い環境を整えることにより、適切なバランスを回復し健全化した肌
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